山月記 of the Contemporary

大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ

女王の教室を観て

現代の教育では、先生は威厳を失っている。尊敬され、従うべき存在から、生徒に親しまれ、モンスターペアレントに追従する肩身の狭い存在に変わってきている。教育における暴力の禁止、厳しい指導の禁止などが広まり、生温い平和主義と平等主義の指導が蔓延…

先祖代々の土地と固定資産税

日経新聞の面白い記事を読んだ。 東京の街中でたまに見かける奥ゆかしい広大な土地を持つ豪邸。さぞ、お金持ちの人が住んでいるんだろうなと思っていた。だが、実情はそんなに甘く羨ましいものではないらしい。 そういった豪邸に住むのは、江戸時代に遡る地…

恋の罪

ああ、胸がえぐられる。彼(園子音)の映画を見ると、ほんと人生を根本から見直ささせられる。 この映画の元ネタとなったのは、1997年に起きた本当の事件。被害者の女性は慶応大出身で大手会社に努めていたエリート女性。昼は大幹部として働き、夜は売春…

「かわいさ」と「甘え」

甘えの分析を理解していくうちに、一つ自分が連想して思いついたことがある。日本では、「かわいい」女子がもてはやされ、韓国では「セクシー」さが求められる。この社会差はどこにあるのか。「かわいい」とは、「可愛い」である。愛すべき対象ということで…

希望の国 を観て

映画において、いくら現実的なものを描いても、そんなのは僕達の日常で見飽きている。映画でしかできない、映像と音声を組み合わせてできる特殊効果を生かして、日常の中の真実をよりリアルに炙り出すこと。そんなのが、園子温の映画という芸術作品への心意…

人の価値って

人の価値ってなんだろう。価値を決めることができそうでもあるし、できなさそうでもある。 僕は思うに、「人」の価値を決めるということは、「人」をかけがえのないものとして見ない、只の「物質」や「数」としての視点に立つということだと思う。つまり、「…

とある友人に当てたメッセージ。消しさってしまうのも勿体無い内容だったので、プライベートなところカットして掲載。

何も考えずに過ごす時はあって全然良いと思う。『ねじまき鳥クロニクル』のあるキャラクターが言ってるよ、「自分のことについて何も考えない時が、一番自分に近づいてる気がする」って。もちろん、時にはゆっくり思考したり、自分の中に深くもぐっていくこ…

人間 可能性 限界

この3つのキーワドについての思索をこれから深めていきたい。教育の中枢にもなりうる分野の思索だ。非常に難しい。 可能性の扉は、自ら諦めた時に閉まる。かの安西先生が、「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」と言ったことだ。確かに一理ある。

マリアナ諸島をめぐる戦いを学んでのメモ

太平洋戦争において、日本とアメリカの物質的力差と同時に、ものに対する見方や考え方の違いも明確になったといえる。アメリカ軍は人命を重視して、防御性能をも考慮した航空機を発明し、遠くから敵の航空機を発見できるレーダーの発明にも力をいれ、そして…

フェイスブックについて その2

フェイスブックで何かして、それについての反応が気になって仕方がなかった。時間ロスと想像力の無駄遣い。それでいらいらしてしまった。この時点で、この、気になるって要素が、フェイスブックの良くない点だよね。 あとは多分前にも書いたことだけど、不必…

今日のつぶやき

我慢できずに、コンビニで買った宇治抹茶入り玄米茶。使い始めたころから後悔。なんか、玄米茶とも、緑茶・抹茶ともいえない、この中途半端な感じ。しかも、安くてコンビニで売っていた。もっとちゃんとしたものをお茶屋さんで買えば良かった。。。なんだか…

グリー(アメリカンドラマ)を見ながら感想

今日の朝から見始めた、アメリカの人気ドラマ、GREE。高校の合唱クラブのことをグリークラブと言うらしく、そこから来ている。歌って踊って、というパフォーマンス形式だ。只の合唱とは違って、ソロやダンスで個々の才能を披露するというか、そんなふうに積…

映画 Sex and the City を観て

書きたいと思った時に書くのが一番良い。とても自然な行為で、苦痛も感じないからだ。 ドラマを見ようと思ってせっかくHuluに登録したのに、映画しかなかった。まあ仕方ないと観てみる。結構長い映画だった。2008年のもので、40を過ぎた女性たち4人の恋愛話…

obsession 想像力のいる時といらない時

休憩中、仲のいい友だち三人のグループでラインをしていたのだが、僕が軽い気持ちで発した言葉が、その中の一人をはみらせるような響きをもってしまい、彼を傷つけるようなことをしてしまった。それについて、もう一人の友達や本人からの指摘もあり、すぐに…

英語について

鈴木孝夫さんの英語に関する主張を読む。 極端だ、とかナショナリスティックだとか、批判されることもある鈴木さんの主張だが、僕は結構気に入った。なんとなく自分も思い描いていながら、それでもどうしようと逡巡していたポイントを、彼がクリアにしてくれ…

日本の辺境性について メモ

このトピックについては内田樹さんの本も読んだりしたが、昨日、鈴木孝夫さんの『アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語』を読んでいた時、積み重ねてきた知識と理解が相合わさって、アハモーメントを呼び起こしたのだ。それについて、簡…

人間主義について

ニーチェについて復習。未だ原文にあたってないのは、お恥ずかしい話ではあるが。。 いつか、カウンセラーと話していた時、一方的に話ながら閃いたことがある。人間主義についての疑問であった。現代では、人間が等しく尊い存在である、ということが常識とし…

束縛、不自由について

新聞のコラムで、「我が家の夫婦げんか解消法」なるものを読んだ。こういうの好きだ。どんなに喧嘩をしても夜は必ず一緒のベッドで寝る、とか、冗談をいいあって笑う、とか、話題を変えて褒める、などなど、それぞれおもしろい方法で夫婦がうまくいくように…

フェイスブックなどなど

うーん、久しぶりにフェイスブックを覗いてみて、また考えこんでしまった。他人の事を、良い意味でも悪い意味でも、人一番気にする人だから、FBは向いていないんだけれども、それでも知的な情報交換の場としてのFBのあり方には魅力を感じ、うーんと悩まされ…

犬夜叉のある一つのエピソードをみて

先ほど、夕方のテレビに偶然流れた犬夜叉を見た。中学校時代の思い出のアニメだ。今になって気づけば、「奈落の底」、「クモの糸」、「穢れ」、「巫女」など、日本の伝統的な哲学や宗教の要素を組み入れた、おもしろい文学作品ではないか。僕達のこころのあ…

永遠の0 を読んで

本当に、美しいストーリーだと思う。零戦をめぐる、アジア・太平洋戦争の歴史的背景の分析や、日本の軍国主義・官僚主義・精神主義の本質を突いた内省的批判も良かった。特攻は天皇崇拝の極端な狂信者によるテロリスト行為ではないっていう主張は、ほんとに…

痴人の愛 感想

小説の方である。映画も見てみたいなーと思う。 いやはや、ついに谷崎潤一郎氏デビュー!記念すべき最初の本は『痴人の愛』。私小説として、主人公が過去を振り返るかたちで書かれており、少し長い小説だがすぐに読み終えた。 主人公は田舎出のまじめな男性…

My Life Without Me を観て

2003年に放映されたカナダの映画。村上春樹がGod Only Knowsについて語っている時にこの映画のことに触れたので、それから観たいと思っていた。確かに、名作っていう程の映画ではないかもしれない。でも、なんか手作りの映画っていうか、そういうった雰…

最愛の大地 を観て

アンジェリーナ・ジョリー監督・脚本による、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とした恋愛映画。僕はこの背景の歴史についてよく知らない。ただ、友達がこの紛争について詳しく、現地にインターンで行ったことがあるので、一度観ておこうと思ったのだ。 感…

Good Will Hunting  感想

素晴らしい演技に溢れる映画。名作である。特にクライマックスの、Robin WilliamsがMatt Damonに、「お前は悪くない」と連呼するところは、涙が止まらない。最近臨床心理の本をたくさん読んでいるせいか、先生になってこんなことがしたいと思っているせいか…

「言葉にできないもの」

いつか書いた考察。そもそも、言葉というものは限られているものであって、そこにあるものを言葉にしようとする試みとは、ものすごいoversimplificationであり、rationalizationである。つまり、言葉にするというのは、そこにあるものの角や曲線を切り落とし…

中秋の名月 詩

今日は中秋の名月。広島の縮景園で開かれた観月のお茶会に参加した。花鳥風月を愛でる、すばらしい日本の伝統文化だ。少し路線はずれるが、あの夏目漱石が英語のI love youを「(君といると)月が綺麗ですね」と訳した逸話があるらしい。「愛している」とな…

しあわせのパン 感想

うん、評価は星4.5! とても感動したし、心が暖まる話だった。 気に入った点は、すごく絵がきれいだったこと。カメラワークが固定静止されていることが多く、そしてバックグラウンドの風景が絵みたいにきれいだった。まるで、絵の中の人物が動き出したか…

恋しくて by 村上春樹 を読んで

村上春樹が選んで翻訳した、10作のラブ・ストーリー集。まだ全ては読み終えていないので、この投稿はちょくちょく編集していこうかと思う。 まず、今この気持ちが昂ぶっているときに書きたいこと。それは、僕はやっぱり村上春樹が好きだということ。彼には…

人生って不思議なもの

美空ひばりの名曲、『愛燦燦』からの引用、「人生って不思議なもの」。 合理主義が発展した現代では、人の生き方、心の動き方、集団の習性、など、いろんなものを「理解」しようと努め、全て人間の「知」の部分で把握してしまおうという傾向がある。つまり、…